いつもお読みいただきありがとうございます。
実家へ里帰り中に暇すぎて、物置と化している部屋のカラーボックスにぶち込まれていた書籍を勝手に拝借。
未だに誰のものなのか分かりませんが、なかなか面白かったので紹介いたします。
私が読むのには珍しく物語ですが、ゆったりほのぼの少し悲しいようなお話でした。
何か事件があるとかそういう話ではないのですが、何気ない日常がやっぱり素敵だなと思える作品です。
- 『昨夜のカレー、明日のパン』の概要
- 実際に読んでみた感想
著者:木皿泉さんについて
務さんは漫才・構成作家としてのライター。
年季子さんはシナリオライターとしてデビュー。
務さんは『キザな和泉』から『木皿泉』名義でシナリオをライティングを始めますがやっぱり猫が好き』を機に年季子さんと共同ペンネームとして活動します。
『2004年、務さんは脳出血のため倒れ、以来年季子さんが献身的な介護をしています。
この出来事を機に務さんは結婚を決意しゴールイン。素敵です(≧∇≦)!!
登場人物の設定は2人で考え、執筆は年季子さんが行います。
行き詰ると務さんがアイディアを出して解決していくという独特な仲良しスタイルです。
主な著書
さざなみのよる 単行本 | |
カゲロボ 単行本 | |
二度寝で番茶 単行本 |
単行本の執筆の他、ドラマや舞台のシナリオ、エッセイも出版しています。
『昨夜のカレー、明日のパン』の概要
「王様のブランチ」BOOKアワード2013大賞受賞。
夫・一樹を亡くしたテツコは7年経った今でもギフと同居しており、周りの人たちの関わりのなかで一樹を死を受け入れていきます。
著者 | 木皿泉 |
---|---|
発売年月日 | 2013年4月22日 |
価格 | ¥1,400(税別) |
体裁 | 240ページ |
『昨夜のカレー、明日のパン』の概要の目次を紹介
- ムムム
- パワースポット
- 山ガール
- 虎尾
- 魔法のカード
- 夕子
- 男子会
- 一樹
の8章から成ります。全体が繋がっているという訳でもなく、それぞれがゆっくりとしたストーリーです(※短編集ではない)。
1日1章ずつ読んでいたので8日で完読。
物語は堅苦しさがなくとても読みやすい内容です。
何か山場があるという訳でもなく、ただの日常を延々と書き綴っている、という印象。
TVドラマにもなっているようです、私まだ見た事ないけど機会があれば鑑賞してみたいです。
こんな人におすすめです
- ゆっくりした時間が好きな人
- 生活に疲れた人
- 幸せって何だ?と思っている人
本の中で、ゆったりとした時間が流れているので、日常に疲れた人や幸せを模索している人におすすめ。
事件もののように山場があるお話ではないのでほのぼのと読めます。
逆にスリルが好きな人には物足りまいかも💡
感想・評価
主人公テツコは、若くに未亡人となりましたが、ギフ(義父)とはずっと同居しているという不思議。
しかし現在はきちんと恋人もいて亡き夫・一樹を引きずっているという訳ではなさそう。
その恋人である岩井さんはテツコと結婚する気があり、テツコは結婚する気がない(;´・ω・)
だけど、岩井さんはギフとも面識があるというそれぞれが不思議な関係です。
また、”ムムム”のようにただのご近所さんで特に深い関わりの無い人物も。
それでもその人それぞれに背景があるので読んでいて面白いです。
『一樹』という1人の男性の死を軸にしているお話なので当然悲しいのですが亡くなったのは7年前。
一樹を取り巻く、妻テツコ、父のギフ、従弟の虎尾。それぞれがそれぞれの関わりの中ですこしずつ一樹の死を受け入れていく様
が丁寧に書かれています。
一樹の骨を隠し持っていたテツコが、お墓に返す決心をしたり、岩井さんがテツコとギフの家で暖かさを感じたり。
なんだかとてもやさしい気持ちになりました。
まとめ
- 『昨夜のカレー、明日のパン』は木皿泉さんの処女作
- テレビドラマ化もしています
- どこかやさしい気持ちになれる作品です
いかがでしたか。今回は実家にあった誰のものか不明の書籍『昨夜のカレー、明日のパン』を読んだ感想をまとめました。
最近は夫の所有する経済やマーケティング系のものばかり読んでいたので物語は久々でした。
個人的には金城一紀作品をよく読んでいたので何か本題の事件とかも起きない、ほのぼのとした日常ものは初めてだったのでとても新鮮でした。
産前でしたので、やさしい気持ちになれたのも◎
木皿作品は初めて読んだのでこれを機に読んでみたいと思います。