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寺社でたまに猿のモチーフを見かける事があります。
有名どころでは日光東照宮の三猿や、日吉神社・山王社でもよく見かけます。
こういった場所の動物は、神使(しんし:神様の使い)として崇められております。
この記事では、神使の中でも”サル”について掘り下げていきたいと思います。
- “サル”のご利益
- 関係が深い神様や寺社など
サルのご利益や意味
滋賀県にある日吉大社は、全国の『日吉神社』『日枝神社』『山王社』の総本社です。
※『日吉神社』『日枝神社』『山王社』とは大山咋神と大己貴神をごご祭神とする神社のこと。
日吉大社が全国に勧請されていったものです。
ちなみに日吉神社は全国におよそ3,800ほど存在すると言われているよ。
比叡山には昔から数多くの猿が生息しており、里の田畑を荒らすなどの獣害に悩まされていました。
そこで逆に、比叡山の日吉大社のご祭神である大山咋神の神使として敬ってみよう!!ということになりました。
このように、神使となったサルは神猿(まさる)と呼ばれるようになり、厄除けの象徴として全国に広まっていきました。
主なご利益
- 厄除け
- 魔除け
- 勝運
神猿(まさる)から
- 魔去る・・・魔除け
- 勝る・・・勝運
といった感じ。単純wwwwwww
↓ちなこちらは秋田市新屋にある日吉神社の眞猿さん。夫婦です。
関係が深い神仏
大山咋神
大年神と天知迦流美豆比売(あめちかるみずひめ)の間の子どもであるとされています。
山の地主神で、農耕や治水を司っています。
比叡山(の一部)そのものをご神体としており、日吉信仰の象徴であります。
大己貴神
大己貴神は大国主の別名で、夫婦和合や病気平癒のご利益があります。
彼はサルの姿でこの地に出現されたと伝わっています。クレイジーだぜ。
青面金剛
庚申信仰では、猿は庚猿の日に、人のお腹の中に棲んでいる三戸(さんし)という虫が、宿主(人)が寝ている間に体外に出て天に上り天帝にその人の罪を密告すると言われています。密告された人は長生き出来ないらしいorz
その為、布で作った猿(くくり猿)を吊るしたり、こんにゃく炊きを食べて夜通し過ごしたと言われています。
_人人人人人人人人人_
>寝ないという選択!!<
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
実は、三戸を抑えるのが青面金剛で、猿は青面金剛のお使いともされており深く信仰されています。
祀られている主な寺社
- 日吉大社
- 日枝大社
- 全国の山王系の神社
- 日光東照宮
など
上記で紹介した通り、比叡山の猿が元になり全国に勧請されていった状態なので全国の日吉神社や山王系の神社に祀られています。
もともと、猿害にあっていたという経緯もあり『夜な夜ないたずらしに行く』などの設定が多く、金網に閉じ込められていたり(日吉大社)、目に釘を刺されている(石清水八幡宮)というデザインが多く見て取れます。
また、よく見るタイプの三猿(見ざる・聞かざる・言わざる)は『論語』に由来すると言われ、仏教とともに日本にも伝わりました。
特に神仏習合の時代では日吉神は天台宗のご法神とされ、天台宗の全国分布に伴い全国に広がっていったという経緯があるため、庚申信仰とも深い関りを持っています。
まとめ
- 寺社にいるサルは厄除けや魔除けのご利益があります
- 日吉神と天台宗は神仏習合により深い関係にあるため、一緒に全国に広まった
いかがでしたか。今回は寺社でよく見かけるサルのモチーフについて書かせて頂きました。
『寺社の動物』といえば『狛犬』が有名ですが、猿の様に神使として祀られている動物は数多くいます。
有名なのは稲荷神社の狐などですかね。
三猿は確かに子供の頃から認識はしていましたが、他にも色々とモチーフになっているという事を分かり始めたのは大人になって寺社巡りをするようになってからです。
ご利益はダジャレ感強いものの、日本って昔からそういうの担ぎたがるから納得(`・ω・´)
これからも注意して色々と境内を観察していきたいと思います。
- 神社のどうぶつ図鑑(二見書房)
- 日本の神様の解剖図鑑(エクスナレッジ)
- 日本のたしなみ帖 縁起物(自由国民社)
- 神社検定 公式テキスト①神社のいろは(扶桑社)